結婚式のビデオ撮影
ビデオカメラ好きなら、撮ったことがあるのではないでしょうか。
そう、結婚式。
このエントリでは決めポイントのひとつであるケーキカットについて、撮影のコツ・編集のコツといいますか、こういうやり方もあるよ、というのを紹介します。
さて、ケーキカットを撮影するベストポジションはどこでしょう?
下の図を見て考えてください。
ちなみに、A、Bの2ヶ所以外は後半で述べる編集のコツに差し障りがあるので触れません。
ケーキカットを撮影する場所
ま、一長一短ありますがざっと列挙するとAの場合
- 新婦の表情が捉えやすい。
- 新婦の腕が細く見える。(逆に肩幅は注意)
そしてBの場合
- 遠近法で新郎新婦がバランスよく収まる。(特に近距離のとき)
- 新婦の体が細く見える。(逆に腕は注意)
となります。さてどっちがいいのでしょうか。
私のオススメは「プロの邪魔にならないほう」です。
最近の結婚式ではたいていプロのスチルカメラマン、ビデオカメラマンが来ています。
ホームビデオとしては彼らの邪魔をしないのが第一です。
ま、新郎新婦の体格や会場の状況によりますがあえて言えば私はBのほうがいいと思います。
さて、ケーキカットというのはケーキにザックリいった後、結構長い時間静止しています。
この間ダラダラと撮っては間延びするので下の図のように3カットとって見ましょう。
ケーキカットは3カット
1 のケーキと新郎新婦は、視界の人が「どうぞ!」と言う前から、ナイフが入って、ひと呼吸入れてさらに心の中でイチ、ニィ、サンと数えるぐらい撮ります。
その後スッとカメラを振って、2 を撮影します。
パンしているところは編集で切るので、素早く動かしてかまいません。
このタイミングならまだパシャパシャフラッシュを焚いている人がいると思います。
こちらはあまり長く撮らないでいいです。
最後にまたスッとカメラを戻して、3 で新郎新婦のアップを撮ります。
このころには自然な表情になっているんじゃないですか?
群集が立ち去り始めるまで粘ってしっかり笑顔を撮りましょう。
コツはカメラを、完全に止める→振る→完全に止める→振る→完全に止める、のメリハリをしっかりつけることです。
ではこれを編集します。
最終形として目指すのは、次のようなものです。
新郎新婦とケーキ → 顔のアップ → 群がる人々
つまり、撮影順序としては 1→3→2 です。
なおかつ、音声は切らさずに場の雰囲気をそのまま伝えたい。
まず、タイムラインにケーキカットのシーン全体を置きます。
○囲みの1〜3はそれぞれ上で説明した撮影順のカットになります。
タイムラインにシーン全体を配置
続いて、そのシーンを「右クリック→ビンウィンドウに追加」します。
さらにその映像をオーディオトラックに置きます。
すると、映像クリップの音声だけが再生されます。(これがポイント!)
映像クリップをオーディオトラックに置く
これで、Main AV に何をしようが一貫した音声を出すことができます。
まずは Main AV の音声を消してしまいましょう。
SHIFT を押しながらドラッグすると、そのクリップの音量を全体的に上下できます。
Main AVの音を0%にする
さらに、Main AV の不要部分をカット(このコーナーの「動画のカット編集」を参考にしてください)します。
そして、撮影順の2と3を入れ替えて、予定通りに並べ替えます。
必要ならトランジションも設定しましょう。
不要部分をカットして・・・
並べ替えとトランジションを設定
あとは、はみ出たオーディオトラックの寸を詰め(このコーナーの「スナップで位置あわせ」を参考にしてください)、トランジション部分にあわせて音量を調整します。
後ろの部分を縮めて・・・
トランジションでつないだ部分を合わせる
これで完成です。
通して再生してみましょう。
音声は自然に連続したまま、あたかも複数台のカメラで撮影したかのようなカット割りになりました。
この偽装マルチカメラ、他にも応用してみてください。