再エンコードによる劣化

一般的には、映像データは非可逆圧縮という方式で圧縮されています。 非可逆というのは、「可逆に非ず」ということで「元には戻らない」という意味です。 言い換えれば「劣化する」ということです。
MPEG1,MPEG2,MPEG4,DivX,WMVすべて非可逆圧縮です。 いくらビットレートが高くても、必ず劣化します。 そしてDVも非可逆圧縮です。 たまに掲示板などで「DVは非圧縮」という書き込みを見かけますが間違いです。
さて、ここで再エンコードによる劣化のサンプルを見てください。 劣化を目立たせるために1回エンコードと3回エンコードを置いています。
一見するとあまり変わらないように見えますが、3回エンコードのほうが部分的にザワッ、ザワッと劣化が目に付くのがわかると思います。 この劣化度合いは、エンコードに使用するソフト、エンコードの設定、元映像によって違います。 あなたがお使いのソフトではまた違う劣化の仕方をするかもしれません。
映像フォーマットで劣化しないのは非圧縮、huffyuv(s)、そして一部のlosslessという名前がついたフォーマットのみです。 huffyuvは本サイトのソフトウェアのコーナーで紹介しています。 これらは劣化しないのですが、ファイルサイズがとても大きいです。 現実には、凝った加工をする際の中間ファイルとして使われます。
が、そもそもエンコードすると時間がかかるので、いい事ありません。 ビデオ編集、映像加工においては無用なエンコードを極力発生させないように注意しましょう。
さて、ここで特に初級者の方に注意して欲しいのですが、次のような経験はありませんか。
  • DVDオーサリングにとても時間がかかる。(数十分以上)
  • DVDオーサリングをすると容量が大きく変わっている。
  • DVDオーサリングをすると映像が劣化している。
  • DVDカメラの映像を取り込むとファイルサイズが大きく違う。
  • DVDカメラの映像を取り込むと映像が劣化している。
初級者の方がこのような現象に見舞われた場合、たいていソフトウェアが自動的に再エンコード(=劣化)しています。
そのような場合は、説明書をよく読んでみましょう。 規格から外れていない場合は再エンコードしない、という設定がどこかにあるはずです。
どこにも無い!という場合は、残念ですが別のソフトに買い換えることをお勧めします。 もちろん、再エンコードが必須の場合はしかたありませんが、その場合はエンコードの設定画面がちゃんと出てくるものを選びましょう。
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