ノイズ除去の功罪(2)

「ノイズ除去には、大きく分けて2つあります。」 と書いたにもかかわらず前回1つしか説明していなかったのでもうひとつの説明です。
もうひとつのノイズ除去は、時間軸ノイズ除去です。 別名として「3DNR(NR=Noise Reduction)」と呼ばれる(書かれる)こともあります。
基本的な原理は、
  • 前後のフレームの平均値との差が小さい部分は、平均値で置き換える。
となります。
2Dノイズ除去の弱点であるディテールの喪失も、3Dならばかなり防ぐことができます。 下の例では、2DNRを使うと右端の建物より手前にある樹木がぼやけてしまっていますが、3Dではそれがありません。

2DNR

3DNR
うまく使うと非常に高い効果が見込めますが、もちろん3Dノイズ除去にも副作用があります。 動いている部分で前後の映像がにじんだり、溶け込んで消えてしまったりします。
また、ビデオ撮影時にふらつきがあると画面全体が動くことになるので、画面全体が尾を引くようになります。 これは静止画で見るより動画で見たほうがわかりやすいので、下のサンプルを見てください。
いずれも左が普通の映像、右が3DNRを効かせた映像です。 効果をわかりやすくするためにわざと強く効かせています。 ブランコの動画では青い尾を引く座面と消えた鎖、林の動画では画面の動きについてこれない所に注目してください。
2D,3Dいずれにせよ万能ではないので、使うときは慎重に使いどころと強さを見極める必要があります。 なお、最近は画面内の動きを検出する機能を追加したり、あるいはまったく新しい手法を用いたりするノイズ除去もあります。 しかし何もかも完璧というわけにはいきませんので、ノイズの無い映像を用意(撮影)することが大切です。
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