YUVとRGBの比較
DTVの世界では、世の中に無数ある色を限られた数値で表現します。
PCを使っている人に最もなじみが深いのはRGBという色空間(カラースペース)ではないでしょうか。
赤(R)・緑(G)・青(B)の組み合わせで色を表現します。
おなじみ「ペイント」の色指定もRGB
上記「ペイント」の色指定もそうですが、一般的にはRGB各8ビット(256階調)、計1600万色というものが多いです。
また、動画の世界ではRGBではなくYUVという色空間(カラースペース)も良く使われます。
YUVというのは輝度(Y)と色差(輝度と青の差=U,輝度と赤の差=V)の組み合わせで色を表現します。
色差というのがわかりづらいですが、大雑把に言って
で構成されていると考えてください。
この方式には
- 白黒テレビからカラーテレビへの移行(共存)が容易だった。
- 人間の目は色の変化に鈍感なので色情報だけ削るとデータを節約できる。
という2つのメリットがあります。
YUVも多くの場合各8ビットなのですが、RGBと1対1に対応しているわけではありません。
その概念を下の図で説明します。
黄色い円が世の中に存在する色だとします。
AもBもその中を8×8のマス目に区切って表現していますが、次のような特徴があります。
- Aのほうが広い範囲をカバーしている。(Aのほうが表現できる範囲が広い。)
- Bのほうがマス目が細かい。(微妙な諧調が表現できる。)
- AとBは1対1ではない。
無限の色を限られた区画で表現
この図では、AがYUV、BがRGBということになります。
YUVとRGBの変換式というのも規格で決められており、相互に変換することができます。
しかし、上の図で示したとおり、限られた段階(各8ビット)の中でのことですので自由自在というわけにはいきません。
両者を無理やり重ねて書くと下の図のようになります。
YUVとRGBの比較
これを見てわかるように、YUVはRGBで表現できる範囲をすべてカバーしています。(が、細かい諧調はRGBに分があります。)
色の話はとても奥が深いのですが、YUVとRGBの関係についてはこのようになります。